マリーのお菓子組曲 Marie's Sweets Suite


〜 第4楽章 The 4th Movement

【 お菓子の国のサンタクロース 】

音楽を再生させてそれを聞きながら物語をお楽しみください。
物語をお楽しみいただいた後は、物語にリンクしたお菓子のレシピで素敵な時間をお楽しみください。

【音楽】

♪ マリーの聖夜曲 Marie's Christmas Chorus

作曲/山谷 知明

 

 

森の奥にビスケットでできたお家がありました。
煙突から綿菓子のような白い煙がもわもわ出ています。

そのお家の中からでしょうか、きれいな音楽が聞こえてきました。

右腕に王冠を抱え、左手に苺ケーキを持ったマリーは、そのお家の扉をノックするために、近くに積み上げられた薪の山の上に王冠と苺ケーキそっと置きました。
そして、服を軽く整えてから扉をノックしました。

「どうぞ。開いてるよ。どなたかな。」

「はじめまして。わたしマリーです。」

「おお、おお、お菓子が大好きなマリーじゃな。よく来たね。さあ、お入り。」

ビスケットのお家に住む白いヒゲのそのおじいさんは、お菓子の国のサンタクロースだったのです。

 

 

「おじいさんは、世界中に配るクリスマスプレゼントを用意してるところだったのね!」

しかしマリーが部屋の中をよく見廻してみると、たくさんの空き箱ばかりでプレゼントがどこにも見あたらないのです。そしてサンタクロースは何か目には見えないものを大切につかむようなしぐさで箱に詰める動作をしているだけでした。

「何を詰めているの? 何も見えないみたいだけど。」

「音楽じゃよ。」

マリーは不思議そうに目を大きくしました。

「わしのプレゼントは音楽なんじゃ。こんな寒い日には音楽が一番。音楽は暖炉の灯よりもあったかいものじゃよ。」

サンタクロースは赤いリボンでくくられた箱をマリーに手渡しました。

「わたしに!?」

サンタはうなずいて微笑みました。

マリーは目をきらきらさせながらリボンをほどき、箱を開けました。
すると箱の中から美しい弦楽四重奏が聞こえてきたのです。
心がぽかぽかしてきて、気のせいか、からだまで温かくなった気がしました。

「どうもありがとう!」

マリーはおじぎをしてサンタクロースのお家から出ました。
薪の山の上に置いた苺ケーキのお皿と、王冠を手に取りました。

するとどうでしょう。
一番上に積み上げられていた薪が、王冠の魔法でおいしそうなロールケーキに変わっていたのです。

マリーは素敵な音楽とおいしそうなブッシュ・ド・ノエルをクリスマスプレゼントにもらったのでした。

 

 


【お菓子】 ★サンタの家の薪ケーキ
 Buche de Noel

 

 
必要なもの
生地

たまご4個

 

グラニュー糖120g

 

 
薄力粉96g
 
 
ココアパウダー12g
 
 
牛乳16g
 
 
シロップ
シロップ90g
 
 
コニャック60g
 
 
クリーム
卵黄6個
 
 
グラニュー糖270g
 
 
水90g
 
 
バター540g
 
 
パートドカカオ110g
 
 
 
 
デコレーション
サンタクロース1
 
 
木苺
 
 
ブルーベリー
 
 
チャービル
 
 
アラザン
 
 
粉糖
 

 

 
 
@


卵とグラニュー糖をハンドミキサーでリュバン状(上から落とした時に、リボンのようなかたちができるくらいの固さ)になるまでまぜ合わせる。


低速で「きめ」を整える。








A 





薄力粉とココアを合わせてふるったものを、Aに加え、手早くまぜる。

粉が見えなくなってから20回くらいまぜる。

常温の牛乳を加えゆっくりまぜる。
   
 
 
 
 
B
紙をしいた天板に流し入れ、平らにならす。



 


 
 
 
C

200℃のオーブンで8分くらい焼く。

 

冷ましてから紙をはがしてできあがりです。

 
 
 
D

卵黄を白っぽくなるまでまぜる。




グラニュー糖と水を118℃まで煮詰める。卵黄にシロップを少しずつ加えハンドミキサーで生あたたくなるまでかくはんする(パータボンブ)。パータボンブの一部をバターに入れ、まざったら残りも加える。湯銭で溶かしたパートドカカオを入れなじませる。

 
 
 
E

スポンジにクリームを塗り苺を並べてクルクル巻く。




 


 
 
 
F

好きなように飾りつければできあがり!




これはマリーがお話の中で作ったお菓子です。なので多少の不手際はお許しくださいね。