マリーのお菓子組曲 Marie's Sweets Suite

〜 第2楽章 The 2nd Movement


【 アナスタシア湖の魔女 】

音楽を再生させてそれを聞きながら物語をお楽しみください。
物語をお楽しみいただいた後は、物語にリンクしたお菓子のレシピで素敵な時間をお楽しみください。


【音楽】 ♪心の鍵 The Key   作曲 山谷知明

別なバージョンが【マリーの音楽集】にあります。

※音楽のファイル形式はMP3です。インターネット回線によっては途切れ途切れに聞こえてしまう場合があります。そんな時には、右クリックのメニューの中から、”対象をファイルに保存(Win)” でご自身のパソコンに保存してからお楽しみください。

 

 

マリーは、ホワイトチョコがけロールケーキでできた木々が立ち並ぶ、白樺の森に入っていきました。

まだお昼前だというのに、あたりは真っ暗です。
木々が寄り添うように生い茂り、空を隠していたのです。

しばらく歩くとマリーは、スカートと靴の間の素足に、ひんやりとした風を感じました。それはどうやら前方に見えてきた深い青色の湖から流れてきているようです。

湖の岸辺までたどり着きました。
マリーは、美しい湖面に身を乗り出して、水底を覗き込みました。

その時です。

湖面の真ん中がゆらゆら揺れて、水底に吸い込まれたかと思うと、突然、背の高い女の人が姿を現したのです。

湖の底から現れたその物哀しげな瞳の、とても美しい女の人。

この女の人こそ、お菓子の国の住人たちから、「アナスタシア湖の魔女」と呼ばれている、呪いに囚われた女神だったのです。

 

 

「この青い湖もね、ずっと以前はきれいな桃色をしていたのよ。」

「知っているわ。わたし、聞いたことがあるもの。湖のまわりにたくさんのバラが咲いていて、そのたくさんのバラの花びらが湖面に映って、それはそれは美しい桃色に光っていたって。それがどうしてこんな寂しそうな青色になってしまったの?」

「それはね、マリー。わたしが心に鍵をかけてしまったからよ。」

「心・・・に、鍵・・・?」

「そう。心に鍵をかけたの。誰でも、哀しいことや思い出したくないことがあると、それを心の奥に閉じ込めて鍵をかけてしまうものよ。もう二度と見たくないから。もう二度と聞きたくないから。」

アナスタシア湖の魔女は、哀しそうにつぶやきました。

「湖が青くなってしまったのは?」

「わたしが心に鍵をかけてしまった時から、桃色だったバラの花びらが青くなったの。そして今ではその青い花びらがすべて散ってしまって、湖の底に沈んでいるのよ。」

「きっと、バラたちは、孤独なあなたを見て心を痛めたんだわ。」

「どうすればまたもとのような桃色に戻るかしら。」

「あなたがいつか心の鍵を解いて、笑顔を取り戻せば、きっと・・・いつかあなたが、あなたのことを大切に思っているバラたちのために、心の鍵を開けることができるように願っているわ。」

マリーは軽く会釈をして湖を後にしました。

マリーは、その時アナスタシア湖の魔女の瞳から涙が零れ落ちたことに気がつきませんでした。それは、とても小さな涙だったからです。

しかしそれはとても美しい、まるで宝石のような涙でした。

そして、もうこの瞬間には魔女でなくなっていたのです。
青い服はいつしかバラ色のドレスに変わっていました。

そして、深く暗い青色だった湖面が、いつしかバラの香り漂う、きれいな桃色に変わっていたのです。

 

 


【お菓子】 ★アナスタシアのローズゼリー
 Lake Anastacia Rose Jelly

 

 
必要なもの  
バラの焼き型6個分
   
いちご125g

 

     
ピンクペッパー小さじ2分の1
 
      水300ml  
      グラニュー糖95g  
      レモン汁大さじ1と2分の1  
      白ワイン60ml  
      粉ゼラチン大さじ2  
         

 

 
 
@


いちごはヘタを取って乱切りにし、ボウルに入れる。









A

くだいたピンクペッパーを加えて混ぜ、冷蔵庫に入れてしばらく置く。



 
 
 
 
 
B

ボウルに、水、グラニュー糖、レモン汁を合わせて混ぜる。

C




白ワインを耐熱容器に入れ、粉ゼラチンをふり入れてふやかし、電子レンジにかけ、溶けたら取り出す。

BにCのゼラチン液をこしながら加え混ぜる。


 
 
 



いちごをピンクペッパーとともに型に入れる。

ゼリー液を型に流し入れ、冷蔵庫で固める。

 
 
 
E


型からはずせばできあがり!

※ぬるま湯につけるときれいにはずれます。






これはマリーがお話の中で作ったお菓子です。なので多少の不手際はお許しくださいね。

※参考文献:「加藤千恵のバラのお菓子」



 


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