マリーのお菓子組曲 Marie's Sweets Suite


〜 第1楽章 The 1st Movement

【 シュークリームの花々】

音楽を再生させてそれを聞きながら物語をお楽しみください。
物語をお楽しみいただいた後は、物語にリンクしたお菓子のレシピで素敵な時間をお楽しみください。

【音楽】

♪ シュークリームの花々 Sweet Little Flower

作曲/山谷 知明

 

 

マリーが勢いよくお店に入ると、菓子職人のヨージックおじさんは、ちょうどシュークリームの生地を天板の上にしぼっているところでした。

「やあ、マリー。そんなにきらきら目を輝かせて、何かいいことあったのかい?」

「こんにちは、ヨージックおじさん。昨日ね、ママといちごケーキを作ったの。 ・・・それ何? 何をしているの?」

「これはね、シュークリームの生地だよ。これを焼いてその上に色砂糖をふりかけるんだ。」

「わあ。」

マリーは思わずくるっと回りました。

お店に並んだたくさんのお菓子の色が、まるでミルクとコーヒーをまぜ合わせるように溶け合いました。

そしてもう次の瞬間にマリーは ”もうひとつの世界” である ”お菓子の国” に旅立っていたのです。

 

 

気がつくとマリーはお花畑の中心に立っていました。

しかしそれはただのお花ではありませんでした。
よく見るとそれは色とりどりのお砂糖がふりかけられたシュークリームのお花だったのです。

桃色や水色、すみれ色や白などの花々は、同じ色でも濃い色や薄い色、明るい色、少し暗めで落ち着いた色など、そのどれひとつとして同じ色はないのです。

「どれもみんな違うけれど、どれもみんな素敵だわ。」

そう思ったのはマリーだけではないようでした。

どこからともなく飛んできたたくさんの美しい蝶々たちが喧嘩をすることなくそれぞれひとつずつの花にとまりました。
風に揺れるシュークリームの花々と蝶々たちは、まるで恋のダンスをしているかのようです。

「わたしもいつか、恋をするのかしら。」

マリーは期待と不安が混じりあった不思議な気持ちになりました。

するとその時、その問いかけに答えるかのように、一羽だけ最後に飛んできた黄色の蝶々が、マリーの髪に静かにとまったのです。

マリーは幸せな気持ちが溢れ出しそうになりましたが、蝶々をびっくりさせないようにと思い、そっとほほ笑みました。

 

 


【お菓子】 ★小さなお花のシュークリーム Sweet Little Flower

 

 
必要なもの
【シュー生地】
お水100g
 

バター60g

 

 
塩1g
 
 
小麦粉74g
 
 
たまご3個くらい (常温)
 
 
【クリーム】
生クリーム
 
 
カスタードクリーム
 
 
【デコレーション】
グラスロワイヤル
 
 
クリスタルミモザ
 

 

 
 
@




なべに塩、バター、水を一緒に入れ、バターと液体を同時に沸騰させる。

中心まで沸騰したら火を止めて、ふるった粉を一度に加える。

A




再加熱する。木べらで力を入れてまぜる。
見極め方としては、生地が半透明になる・まとまってくる・チリチリと音がする・なべ底に薄い膜が張る、くらいまで加熱する。

B




火からはずし一呼吸おいたら、たまごを半量入れてまぜる。

たまごが見えなくなったら、残りのたまごを三分の一ずつ加え、クリーム状にする。
C


見極め方としては、生地の全量を持ち上げて落とした時の切り口を見る。
←この写真はまだたまごが足りません。
 
 
 
 
D


←この写真のように、きれいな三角形になったら出来上がり。


E

生地があたたかいうちに丸口金でしぼる。霧をふき、指で形を整える。


 
 
 
F

200度のオーブンに入れ、ふくらんだら180度に落として合計30分くらい焼く。

 
 
 
G

じゅうぶんに冷めたらお好みのクリームを詰め、かわいくデコレーションしてできあがり!




これはマリーがお話の中で作ったお菓子です。なので多少の不手際はお許しくださいね。